◆ 心に残るちょっとしたこと ◆

以前、あるセミナーで、

いつまでも忘れない感動を残したおもてなしを受けたことがありますか?

どんなことでしたか? と聞かれたことがあります。



ほとんどの方が、「うーん」と唸ってしまうくらい、意外とないのです。

仮に少しくらいあったとしても、すぐに風化してしまうのが普通です。


   それだけに、何か心があったまったという話を常に収集し、

   自分でもどうしたら喜んで頂けるかなと、

   お金を投じておもてなしをするのではなく、

   考えに考えて創り出していきたいと思います。



最近で印象に残る言葉を頂いたのは、次ぎのようなことです。


先日タクシーに乗った時のことです。

交差点で横断歩道を渡り、タクシーがいるか見たところ、
2台いましたが、2台とも追い越し車線にいました。

ちょっと手を上げづらいなと考え、
少し先まで歩いて次ぎの車を待とうとしました。

道が渋滞していたので、結局先ほどの車が私の前にいます。

私が見ていたら、運転手さんもこちらを見ています。
それでやっと手を上げました。

乗ってから、手を上げるタイミングが難しいとお話すると、
とても気持ちの良い丁寧な言葉遣いで、
タクシーの乗降についてお話をしてくださいました。


   「私は足が悪いので、足の治療に来ているのです。

    股関節の病気なのです。ここから次ぎの場所に行きたいときに、

    いちいち駅まで歩いて列車にのり、また駅から目的地まで

    歩けないのです。それでよくタクシーを利用するんですよ。」

と話すと、驚きながら話を聞いてくださり、


   「そうですか。ありがとうございます。私がタクシーを代表して」


とおっしゃいました。それは、小さな驚きでした。




その方は、まだタクシードライバーとしては歴史が浅いそうですが、
何か、今までの違う職業のときのお仕事ぶりが目に見えてきそうな気が
します。素晴らしい応対だなと感心しました。

その方の応対は、今までのタクシーの運転手さんの応対とは、
かけ離れているように感じたのです。

明るく丁寧で、落ち着きと上品さが伴っていました。

最近のタクシードライバーさんたちは、
良く教育されていることが多いです。

それだけ、タクシー業界も大変なのでしょうね。


それでも、ぶっきらぼうで、運転が荒い方も昔はよくいました。
最近は、タクシー会社を見分けて利用しようと思っています。

教育を受ければ、ある程度まではレベルが上がりますが、
私の評価としては、その人そのものの素の感情や気持ちが、
どれほど入っているかということが、
きちんと伝わるということに重きを置いています。


   作り笑顔、綺麗な言葉でも、眼の奥が笑っていない。

   決して失礼ではないが、温かみを感じない。

   特に感じは良くないと言う人のほうが圧倒的に多いです。


「温かな心が伝わる接客」は、人間の気持ちがやさしくなると思います。




私が、治療のために良く使うあるJRの駅。

小さな駅ビルに繋がっているのですが、
そこにいつも立っているおじいさんがいます。

もちろん駅員さんです。

今は自動改札なので、あまり多くの仕事はないと思いますが、
いつも通る客を一生懸命見送っている感じが伝わるのです。



一度、傘を駅構内か、もしくはビルの中のどこかにおいてきてしまい、
探そうとしたことがありました。

駅のホームの椅子ならば、一度改札を通る必要があります。

「傘をどこかにおいてきてしまいました。駅のホームの椅子にあるかどうか
見てきたいのですが...」というと

「見に行くだけ? それなら行ってらっしゃい。」と快く通してくれました。

行ったら無かったのですが、結局、駅ビルのなかのお手洗いにありました。


その後、用事を済まして帰る時に

「傘ありました。ありがとうございました。」と結果を伝えると、

にこにこして「そりぁ良かったね。どこにあったの?」と聞いてくれました。



言葉遣いは、あまり丁寧ではありませんが、
どこかのどかで、心がある気持ちがするのです。

そこを通るときは、必ず顔を出して通る人たちを見守っているのです。

自動改札では、今はあまり見うけられない光景です。

一応、人がいると言う感じの方が多いです。

そういう感じだったら、傘があったことのお礼を言えなかったと思います。


   傘があったことをお互いに喜べる。

   同じ気持ちを共有した感覚です。


きっとその駅員さんは、
列車が好きで改札業務に長く従事していた方なのだろうと想像できます。

その仕事に懸命だった姿、
一人の人間として業務を遂行していたことが目に浮かんできます。



販売やサービスを売っている仕事の人たち。

私達も同じですが、単純に売上があがって、とりあえず一生懸命仕事をして、
お客様にも喜んで頂けたと実感する。

それはよいことです。


でも一番大事なことは、そのお客さまの立場に立っていること。

   望んでいることを察知できること。

   望んでなくてもして差し上げることで、
   さりげなく喜んでいただくこと。

   そのことが何より好きで、売上より自分の立場よりも、
   そのお客様を思えること。


人対人なので相性もあり、また、人間なのでうまく行かないこともある。

気持ちが伝わらず、とんでもない誤解を受けることも。


   でも、一生忘れられないようなおもてなしを
   きっとし続けていきたい。

   一生忘れられないとおっしゃっていただく感動的なおもてなしを、
   少しでも多く残したい。

   それはきっと、サービス業でなければなかなか出来ないことだから。


何か、素晴らしい体験がありましたら、ぜひ教えてください。


私もそうしたお話を参考に頑張ります。




-----------------------------------------------------------------

◆素顔の女将◆

病院や書道の関係で出かける事の多い家内だが、
出先で心に残った出来事があると、「こんなことがあったのよ」と
迎えに行った帰りの車中で話してくれる。

不愉快な目にあった話しの時もあるが、良い話しの時が多い気がする。

     ちょっとした温かい事でも感じられるように、

     心のアンテナを掲げておくことは大事だね。

                            (by aruji)

ご予約・プラン紹介はこちら
  • プラン一覧
  • 空室検索
  • お問い合わせ
  • Q&A
  • アクセス・交通案内
  • 南房総白浜 季粋の宿 紋屋
  • 〒295-0102
    千葉県南房総市白浜町白浜232  TEL:0470-38-3151
    FAX:0470-38-3153