◆ 彩りのようなもの ◆

先日、女流書家の展覧会があり、日本橋高島屋に出掛けました。

小さいときから良く足を運んだ百貨店ですが、駅から少し歩くので、
最近は余り足を向けない百貨店になっていました。


展覧会が8階だというので、エレベーターに乗ることにしました。

日本橋高島屋のエレベーターは、大変古い形式のエレベーターです。

エレベーター内での操作が必要なため、
今では珍しいエレベーターガールがいます。


   エレベーターの箱から外へ出て、
   「上へ参ります」と軽やかな声が響きます。

   白い手袋をして、上へのパフォーマンスもつきます。


専門的には、顧客サービスと言う部門になりますが、
最近のエレベーターは、ほとんどお客様がセルフでボタンを押すのが
普通になっています。


久々のエレベーター内での女性の誘導に、新鮮な気持ちになりました。

売り場がどこにあるとか、今こんなイベントをどこでやっているとか、
丁寧に教えてくれます。

気持ちが良いですよね。

いつもは店内の地図とにらめっこして、自分で探すのですから。


帰りは、私一人しか乗りませんでした。

すると、私のほうを向いてニコニコしてお辞儀をしてくれます。

1階への直通エレベーターでしたが、
地下へ行く場合の行き方まで教えてくれます。

何も買ってないので、申し訳ないような気分になりました。

経営的には、もちろん無駄?に近い。

絶対必要な人手ではないような気はします。
入り口に店内案内がいれば、それですむとも言えます。


   しかし、今時なかなか無い体験だったので、

   やっぱり人って良いなあと実感しました。



そのあと、習い事に出掛けて、帰り主人に迎えにきてもらい、
私たちがお気に入りのイタリアンレストランに行きました。

最近お子さんを産んで、
奥さまは最近あまりお店にいらっしゃらないのですが、
その日は珍しくいらっしゃいました。

昼間や夜、
奥さまの代わりにいらっしゃるウエイトレスの方も感じは良いのですが、
やっぱりシェフの奥さまが一番!


   何故なのかなと自分でも不思議に思うのですが、

   奥さまがいらっしゃらないと、

   お料理はいつものように美味しくても、

   なんとなくつまらないのです。


例えば、出てきたお料理の中に珍しい野菜が入っていたり、
なかなか普段見ないショートパスタだったり、
作り方を教えて欲しいとき、
その答えだけをウエイトレスさんは聞いてきて、
それで終わってしまうのです。


   その後につく、プラスαが欲しい。


例えば、その日、ほかにお客様がいらっしゃらないと、
「今日はすごく暇なんですよ。こう言うときは心配になりますね」
とか、何気ない会話。


私達は常連で素性もわかっているので、お互いに商売の話も出来る。

そんなことが嬉しい。


   ちょっとした世間話があるかないかの違いなのでしょうね。



そのように考えると、
「私」の存在はどのように役立てられるのだろうかと考えさせられます。


昨年の11月頃、
「ベビームーン」という妊婦さんのためのプランでお越しになった、
あるお客様。


最近は、婚姻率・出産率も下がり、
妊娠中の不安が大きいかたもあるようです。

とくにつわりが強い方は、とてもつらいようです。

わたしも妊娠中は、つわりが子供を産むまであったのです。
特に4ヶ月から5ヶ月のときは、入院したほうが良い状態でした。

食べた物を吐くだけでなく、胃液をたくさん吐いてそこに血液が混じり、
真っ赤な胃液をたくさん吐き、苦しい毎日でした。


人によっては、まったくつわりがない方もある。
また、同じ人でも、一人目は軽く二人目は重いこともあります。

経験者としてそんな事を話しかけ、お話しさせて頂いただけで、


   「とても気持ちが楽になり、不安が取り除かれました。」

    と、感謝されました。


最近の同じプランのお客様も、
妊娠8ヶ月なのにまだつわりがあるとおっしゃっていました。


   「私も産むまでありました。辛いですね。でも産めば治ります。」

   と申し上げると「産めば...治りますね!」と

   実感を込めておっしゃっていました。


そんな小さな事ですが、毎日一つでも

お越しになるお客様にプレゼントしたいなと願っています。



   人間である以上、どんなにIT化しても、

   直接の触れ合い、人の心の温かさには勝てない。



そんな気がするのです。



私は、手紙は99パーセント、手書きでお出しします。

時々頂くお礼状のお返事がとてもとても嬉しいものです。


お電話もなるべく心に残るよう、「会話」を入れます。

自分の感情も入れるのです。何度か電話を頂くとき、

「前回の方、女性の高尾さん」と指名してもらえるように、
努力したいと思います。


   こうした小さなささやか過ぎるくらいの心遣いが、

   お客様の心の彩りになったら、私は幸せだと思います。



いつどこで、

大きな自然災害に巻き込まれるか分からないといわれている昨今。


思い切り毎日を大事に、1日1日が素敵であるように、

私達もお越しになる皆様に、想い出作りのお手伝いをさせてください。





●久々のあるじの正体●


家に帰り、私が寝室で一人で作業をしていると、
arujiはこっそりのぞきに来る。

ふと気が付くと、私に隠れてこちらを見ているのです。

しばらくするとまた気配。

   「なんなの?」と聞くと、「一緒にいないと淋しい」

狭い家なのにネ。


こっそり半身だけドアの脇から顔を出して

のぞいている姿が不気味。かなり変わったaruiです。

                            (by okami)



  (aruji:注)正確には、こっそり顔を半分だけ出し、
   家内に気付かせて驚かせるイタズラです(笑)




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◆素顔の女将◆


節分にこだわって豆をまきたがる家内に、豆の入った小袋を渡した。

さっそく豆まきを行うのかと思ったら、


   「まいた後に拾って食べるから、落花生じゃないとダメ」と。


じゃあ、袋ごとまいて回収したらいいじゃないかと言うと、
大豆は美味しくないと言う。


   どうやら家内にとって豆まきは、
   季節の行事というよりも“スナック”みたい。

                            (by aruji)

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