- ◆ はじめての講演会 ◆
2月のはじめ頃だったか、
ある旅行エージェントさんから、講演依頼を頂きました。
紋屋の社長なら、ある程度大勢の前で話をするのも慣れています。
私は、人前で講演するなど到底出来るはずがありません。
「無理です。」
と申し上げたのですが、そこをなんとかと頼まれてしまいました。
もしかしたら講演を機会に、自分の中で芽生えるものが出来るかもしれない。
経験が無いからこそやってみる価値があるのでは?と
心のどこかで動くものはありましたが、やっぱり自信はありません。
でもまだ時間はたっぷりあるしと、そのときは思いました。
しかし、時間はあっという間に過ぎていきます。
気がついたら、講演日がすぐそこに迫っていました。
もちろん自分なりに講演の骨子は考え、
だいたいのストーリーは組立ててみました。
問題は、話し方です。
どうしても、声のトーンが一辺倒になりがち。
何度やってみても、聞く側が眠くなりそうです。
社長に相談すると、
「まずは、話の内容なんじゃない?私を相手に話してみて」
と言われやってみました。
やっぱり、おもしろくありません。
講演の参考になるかもという本も貸してもらいましたが、
いまいち講演の参考にはなりませんでした。
「何を話すかをもう一度考えてみたら?
メルマガを読み返してみたら?」
私がメルマガを出すようになったのが、1999年の10月。
そこからお話するのによさそうなものをピックアップしようと、
読み始めました。
膨大な量ですが、その中でも良く書けたものは自分でも分かります。
自分が書いたものでも、久し振りに読む文章は非常に新鮮。
こんなこともあったなぁ、と感慨にふけります。
また自分で言うのもおこがましいのですが、良いことを書いています。
そうだったなぁ。
数々のエピソードの中から、
お話するのによそうなものをいくつかピックアップしてみました。
そして、実際に声に出して話してみます。
やっぱり、話し方が難しい。
講演がお仕事の方は、よくよく研究していらっしゃるのでしょうね。
とにかく単調にならないようにするには、どうしたら良いのか。
社長からは、
「間を置く。声のトーンを変える」と、
アドバイスを貰いましたが、
本番もやっぱり思うようには出来なかったように感じます。
お越しになる方は、商工会議所のサービス部会の方々。
業種はさまざまですが、経営者のかたがたばかり。
私などが皆様に参考になるようなお話など出来るでしょうか?
いよいよ日にちが近づいて、後がなくなってきました。
社長と毎晩遅くまで、エピソード選び。
実際に声を出しての練習。
話す内容もやっと決まりました。
毎晩遅くまでの話し合いで、すっかり寝不足。
体調が悪くなりそうでした。
本番の日、少し頭痛がする中、早めの起床。
想像よりは緊張してないかなと思いましたが、
血圧を計ったら150もありました。
やっぱり緊張している!
あとは、もうやるしかない。
話す前は何度もエピソードネタのメルマガに目を通し、
トイレに何度も足を運び、とうとうその時がやってきました。
意外と声が上ずったり、心臓が飛び出したりはしませんでしたが、
思い通りには話せませんでした。
話し方は40パーセントの出来。
内容は55パーセントの出来。
というのが私自身での採点。
けっしてうまくなかったけど、初めての割には落ち着いて話せました。
きっと商工会の部長様が気を使って、
ある程度は質問を用意してくださっていたように思います。
ただ、それ以外にも御質問を頂き、
講演30分、質疑応答15分、雑談10分という時間配分で、
なんとか無事に終了しました。
お帰りのまえに、御入浴の方もあり、入らない方は売店でお買い物。
そのときに、おひとりおひとり、名刺を持って、
感想を伝えに来てくださる方があり、
本当にありがたく思いました。
そして、全員で記念写真。
今回は、私がずいぶんと心配したために、一部の方はお電話を下さり、
またお二方は、事前に泊まりに来てくださり、励まして下さいました。
有り難いやら、情けないやら。
最初に、私のメルマガの読者である旅行会社の方が、
皆様に私のことを奨めてくださったのだそうです。
私のほかにも二人、候補があったそうですが、会議で私になったそうです。
部長さまは、「お人柄ですよ」とおしゃって下さいました。
経営者の方々を相手に、私ごときが偉そうに講演だなんて...
でも、私の話がどうのというより、部長さまは、
「どんな話をしても、受け取る側の問題なんですよ。心配することはない」
とまでおっしゃってくださいました。
貴重なお時間をさいていただいて、
私にとっては忘れられない出来事となったのです。
旅館に嫁がなければ、また、メルマガを書かなければ、
こんな機会も無かったでしょう。
さまざまな経験を積むことは、人生を豊にすると私は思います。
そして、お越し頂いた方には申し上げましたが、
初心を保つことはとても難しいことで、
最近は、お客さまを以前のようにはお迎えできていなかったのです。
久し振りに、以前のメルマガを読み返し、新鮮な気持ちになれたのです。
このような機会を与えてくださった旅行エージェントのUさまに、
お越し頂いた皆様方に、心から感謝致します。
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◆素顔の女将◆
事務所にやって来た生後6ヶ月の孫が、
机の上にある計算機を取り上げて口に持っていこうとする。
「なめちゃダメ。これは計算するの。
ほら、すごい数字になったでしょ?」
と、家内が孫に話しかけるが、“計算”も“数字”も判んないと思うよ(^o^)
(by aruji)