◆ 食事のあり方 ◆


最近、コンビニ業界もスーパーマーケットも、様変わりつつあるそうです。

確かに、近くのあるコンビニSは、最近お惣菜にうんと力を入れて、
お弁当以外にも、ちょっと買ってみたくなる一品が揃うようになりました。


ちょっと割高かも知れませんが、
全てを毎日コンビニにするのでなければ、結構便利。

利用の仕方を工夫すれば、材料をそろえるよりも安いかもしれません。

特に最近は一人世帯が多いわけで、時代を先取りしていると思いました。

地域によっては、配達も受けているとか。
一人暮しのお年寄りにとっては、配達は何より有り難いことでしょう。



反対に、スーパーは、今までのなんでも揃う形にこだわらず、
一部のものにこだわって品揃えする店も。

あるスーパーでは、高級志向の品揃えにこだわり、
多くのファンを持っているそうです。



そうした話を聞いたり見たりしていると、
宿屋もなんとか新しい発想で、おもてなしをしていきたい。

もっと斬新に変われないものかといつも思います。

   例えば美容院併設の宿とか、

   紋屋だったら、保育園併設の宿にして、

   町内のお子様連れのママさんたちにご昼食にお越し頂くとか。


私も、子供が幼稚園のとき、
頻繁に近所のホテルの昼食バイキングを利用していました。

そうはいっても、なかなかそこから発展しない。
変わるには膨大な資金が必要なのです。難しいですね。

保育園だって、設備投資やさまざまな登録が必要ですし、
保育士さんを雇ったら、高くついてしまいます。

あれば、シングルマザーも働きやすくなるのにと思いますが。。。



お金の投資がなくても出来ること。

なかなか無くて、結局普通の旅館になってしまう。

せめて、お献立くらい新しい発想で作りたいと、
常に調理長と社長おかみを中心に取り組んでいます。


   勉強の為に、最近行ってみた料理屋さんは、

   最初は本格的日本料理で、そのあと創作系の一品が出て、

   そのあとにフランス料理、

   そしてそのあとお食事がそばという珍しいスタイルでした。


日本料理なのにフランス料理のメインが出る。

そのあとに食事がおそばというのは、さすがにまいりました。
そして、そばの後がまたフランス料理のデザート。

おいしいことは、美味しいのですが、ちょっとだけ戸惑いましたね。


   私だったら、おそばは凌ぎとして早めに出して、

   その後に創作系の料理、そしてフランス料理、

   お食事はパンかあるいはリゾットなどにして、

   お口直しにシャーベット、

   そしてデザートのほうが受け入れやすいかなと思いました。


作る側も、おなじ日本料理ならそれだけというものに、
物足りなさを感じるようになりつつあるのでしょうね。

その店の店主は、最初がおそば屋さんでの修行、そして日本料理。
それでも飽き足りなくて、フランス料理も学んだのだそうです。



後日行ったおでん屋さんは、関東風でも関西風でもないおでんで、
出汁にコンソメを使っているそうです。

日本酒ではなく、ワインが揃っているのです。

そして、最後のデザートはなんとクリームブリュレでした。


   同じおでん鍋から出てくる一品一品、

   付け合せの辛子やスパイス、

   またおでん種の上にのっている食材のせいで、

   すべて味が違うように感じるのです。


なかなか美味でした。

デザートは何故?と思いましたが、
やはりフランス料理を経験しているそうです。



食べる側だけでなく、作り手も発想が違ってきているのですね。

さまざまなニーズがあり、いろんな情報があふれている昨今。


日本料理なら、それ一辺倒。

それでもいいし、そうじゃなくてもいい。


そうしたことから、

紋屋でもシュハリという独特なお料理コースが生まれました。

非常に創作性が高く、お料理の順番も工夫しています。

デザートは常に2種類。

お刺身も普通の刺身のほかに、変わり刺身が出る。

私は、このコースが大好きです。



お客さまのほうでも、
ホテルと旅館との区別がつかない方も、段々多くなりつつあります。

日本料理なのに、メインがないというお声も時々頂きます。

(日本料理の基本は、メインと言う考え方は無いのです)

日本料理のきまりはきまり。

それでいて、新しさが醸しだされていれば、なお結構。

というところでしょうか。



紋屋では、

お客さまが多い日はご朝食をハーフバイキングにさせていただいています。

それでもぞんざいにならないよう、名物のまご茶漬けは残し、

お味噌汁も、お客さまにジャーからついで頂くのは、

悲しいものがあるので、ちょっと工夫しました。


京都からわざわざ取り寄せた逸品の「最中の皮」。

あとは手作りで出し入りの味噌や葱などを詰めました。

けっこう手間がかかります。

それをおわんの中にいれて出汁を注いでいただくのです。


    香ばしい最中の香りと手作り味噌のハーモニー。


あまり伝わっていないのか、
全然その美味しさへのお声を頂けていませんが、
私たちの伝え方が下手なのだと思います。

中にはインスタントの味噌汁だと思ってしまうお客さまもあり、
非常に残念です.....。



器も頻繁には取り替えられませんし、出来ることは少ない。

でも、その少ない中から日々考えに考え抜き、
紋屋の料理は常に新風が吹いているようにしたいものです。


普通の旅館料理-

     さめている天麩羅

     変わり映えのしない盛り付けのお刺身

     あたたかものは茶碗蒸しと鍋

     品数だけは並びきらないほど.....

そういう普通(?)の旅館料理を紋屋は目指しておりません。



お分かりいただける方は、ものすごくご理解頂き、感心してくださる。

少しでも多くの方に共感していただけると嬉しいです。


これからも努力して参ります。

どこか、参考になりそうなお店がありましたらお教えください。




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◆素顔の女将◆

年に一度、検便が行われるが、便秘症の女将はいつも憂鬱顔。

努力の甲斐あって無事に処理できると、ニコニコ嬉しそう。


ところが突然思い出したように、

   「検便って憲資(私のこと)の便のことだ(=憲便)」

   「憲太郎(息子)の便だ。憲真(孫)の便だ!」と、

なんだか訳の判らないことで一人で大はしゃぎ。


そう言うあなただって、洋便(葉便)じゃないか!

                            (by aruji)

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