◆ 毎日が良い日 ◆

今年のゴールデンウィーク、皆様はどのようにお過ごしになりましたか?


昨年は震災の後で自粛ムード。泊まりよりは日帰り。

高いよりは安く、遠いよりは近くだったそうですが、
今年はその反動もあって、大型連休をとって海外と言う方が多いとか。


紋屋のゴールデンウィークは、
おかげ様で昨年一昨年よりも好調でした。

お客様のご様子は、
ようやく通常に戻ったという感じが強かったように思います。


喉元すぎた頃に.・・・ということもあるので、
気をつけなければいけませんが、
震災を踏まえながらも前に進まなくてはならないので、
旅行にお出かけになるお気持ちは持っていただきたいと思いました。



ご住所を拝見して、

「このお客様は、仮設住宅にお住まいだ」とわかると、
普段は受けていない事もして差し上げました。

お子様が少し熱っぽいということで、
いつもは承らないお部屋出しを特別に受けたのです。

それが、仮設住宅を踏まえての事だとは、
きっとお客様には伝わらなかったと思います。

それでも、どこかでその気持ちの端が伝わったら嬉しいのですが・・・


このゴールデンウィークにも、
福島県のいわきからお越しになったお客様がいらっしゃいました。

独特なイントネーションから、そのお客様が福島の方だと直ぐ判りました。
(以前、福島にいた事があるので)


お子様は、1歳になったばかり。

1年前はいわきで地震にあわれたのではと、


思わず 「大丈夫でしたか?」とお聞きしてしまいました。


なんと、近くの病院がいっぱいで横浜のご実家にいらしたのだそうです。
それで免れたとのこと。


   「本当に良かったですね」と心から申しあげました。


人間の運命なんて、一寸先は闇。
ほんのちょっとしたことで、明暗が分かれるのですね。

それでも(もちろん伺わなかったですが)福島にお住まいということは、
少なからずご心配だろうと思います。

元気にお育ちのお子様を拝見しながら、横浜でよかったと何度も思いました。



禅の言葉に日々是好日と言う言葉があります。


毎日良い日であるわけはない。
でも、どんなに辛い事も悲しいことも、意味があるのだそうです。

苦しい出来事から受け取れること、学ぶこと。きっとあるのです。

悲しい気持ちの中にも、ひとすじの光が差し込んでくる。

その光を自分の中でよい事にかえていく。

前向きな気持ちが大切ですね。



中森じゅあん という方の書いたもので次の詩があります。


     朝がくるとはじめてのこころになれる

     ときにしおれた気分で起きても

     どんな困難のさなかにあっても

     朝こそは新しいめざめのために来る


という詩です。

私はこの詩が好きで、書道作品にして飾ってあります。

アンケートで、
この詩に感動したというご意見もいただいたことがあります。

私も、この詩のようでありたいと思います。


館内の書作品は、比較的暇な旅館内での時間を、
すこしでも気軽に楽しんでいただくために飾っています。

作品自体は、けっして上手いものではありませんが、
書家に習ってやっと11年が経ち、最近、やっとお祝いのお客さまに
ちょっとだけ字を書いて差し上げることができるようになってきました。

上手くなくても、
心を込めてその方だけのために、一生懸命お書きするのです。

それが伝わるといいなあと思います。



先日いらしたある親子様は、
お母様が読売書道展で出品なさっている方で、
お嬢さんは、絵を描いているという方でした。

私の書道は毎日系なので、どちらかというと絵画的です。

娘さんは絵心があるので、
私の作品からいろんなことを受け取ってくださいました。


月の形に仕上げた作品を楽しんで見てくださり、「雨」と書いた作品を、


     「小さな子供が雨道で遊んでいるように見える。」


とおっしゃっていただきました。実はそんな気持ちで書いたものでした。


出会いは楽しいものです。

もしかしたら一度しかお目にかからないかもしれませんが、
大事なその1回を思い出深いものに出来たらと思っています。



震災以来、いつどこで大きな地震が発生しないとも限らないので、
なおのこと、一日一日を大事にしたいものです。

だからこそ今は自粛ではなく、
今日与えられた一日を思う存分楽しんでいただきたい。


毎朝、新しい一日が迎えられた事を感謝し、
いやな事があっても、その中から良いことをさがす。

良いことに変えていく。


日本が新しい震災後の画期的一歩を、本当の意味で歩みだせることを、
今回心から願った大型連休でした。



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◆素顔の女将◆

某大臣が某知事に事情説明しているシーンをTVで見た家内は、


「なんで、テーブルに携帯電話があんなに置かれているの?」と、聞く。


      何でだと思う?    それはね.....


記者の携帯ではなくて、あれはICレコーダーだからだよ(笑)

                             (by aruji)

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